和歌山県高野山にあるお寺「西禅院(さいぜんいん)宿坊」が素敵…
平安時代、弘法大師が高野山開創直後、壇上伽藍至近の谷上の地に明寂阿闍梨によって開かれた高野山真言宗の別格本山の寺院。
松下幸之助氏が執筆活動をし、長期滞在したとされる部屋にも宿泊できます。
宿泊者限定で写経、阿字観(密教の瞑想法)、念珠作り、僧侶による高野山案内など、高野山をより深く体感できる体験プログラムもあります。
作庭家の重森三玲氏がつくり国の登録記念物となった、滝石組のある池庭、岩盤を露出させた流れの庭、石組みとモダンな苔の地割りで構成される枯山水の3つの庭園では、四季折々の風情を楽しめます。
食事は、高野山名物の胡麻豆腐をはじめ、高野豆腐や地元の旬の食材を使った栄養バランスのよいヘルシーな"精進料理"がいただけます。
お寺に宿まるという、非日常の体験を…
名称 | 西禅院 |
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ランク | casual |
価格 | 11000円~/人詳しく見る |
場所 | 和歌山県伊都郡高野町高野山154 |
こだわり |
壇上伽羅のお向かいにある宿坊、西禅院。
品格ある静かな宿坊です。2011年、2012年、2013年にお世話になりました。
●2011年11月
供養と宿坊体験を兼ねた一人旅。
東京から夜行バス、電車、ケーブルカー、バスを利用し昼過ぎに高野山は西禅院近くに到着。雪の中、荘厳な雰囲気が漂う。出迎えてくれた作務衣姿のお坊さんに「そんなに着こんで暑くないですか?!」と驚かれてしまいました。
木の香りのするお部屋(西書院)に通されました。とても嬉しいコタツ装備。お茶とお菓子のサービス。
コタツに入ったらついウトウトしてしまい、起きたら外は真っ暗。お坊さんが御食事を運んで来てくれました。
夕食は豪華精進料理。ボリュームも味も大満足。
食後、私と同い年で福島県出身のお坊さんとしばし歓談。宿坊が初めての私に合わせた内容のお話を選んでくださったようで、地元のお話、ゲームのお話なども。お坊さんも普通の青年なんだなぁと思ったのでした。フランクだけども、訥々と、色々なお話をしてくれました。嬉しかった事、残念だった事、生死について。その後、部屋に戻り色々と静かに考えました。いつぶりだろう、人の話を聞いて1人でゆっくり考える時間を持ったのは。明日は朝の謹行に参加です。起きられるか心配でしたが、翌朝無事5時30に起床。
朝の謹行は本堂で厳かに始まりました。お若いご住職で驚きました。お話が大変おもしろく聞き入ってしまいました。勤行後の朝食はお部屋で。お膳を運んできてくれたお坊さん曰く「ご飯は三膳分はあるので・・。足りると思いますわー、昨日もキレイに召し上がってくれはって」お坊さんの大サービス。四膳強ありました。もちろん1粒残さず頂きました。
●2012年11月
今回のお部屋も西書院。ひろびろ8畳コタツ、暖房、LAN環境付き。またコタツで寝てしまい、気付いたら夕方に。西書院二階の窓からは、まるで絵画のような眺め。
本堂や壇上伽藍の塔、月と満天の星空。なんとか撮影しようと窓から身を乗り出していた所を、外を歩いていた修行僧に見つかり、話の流れで重森庭園を見せて頂けることに(内緒で)。
「本堂裏で毎夜祈祷の声だしをしていると、小さな木窓から見える二つの石が、お釈迦様と寄り添う自分に見えてきた。もうすぐ地元(長崎)へ戻るので、お名残惜しいです」、というお話が印象的でした。
午前6時、夜明け。気温は0度。遠くで鐘の音が聞こえお寺の朝が始まります。
6時半より約一時間、本堂で勤行です。
本堂。正装した住職と修行僧が声明(音階を付けた祈祷)と読経を約一時間。焼香、そして説法(説教)30分。有難いお話は大変聞きやすく面白い。お話の上手なご住職です。
午前6時。気温は0度、キリっと引き締まった空気の中、お寺の朝が始まります。朝御飯は今回は大広間で。ご飯が大変美味しい!
宿泊1日目の夕食のお献立。
・蒟蒻、紅葉麩、餅巾着、白菜、しめじの紙鍋
・椎茸、人参、蓮根、オクラ、長芋の信太巻きの天ぷらを抹茶塩で
・高野豆腐、昆布巻きの炊き合わせ
・胡麻豆腐の炙り、野沢菜団子
・金時豆の炊いたん
・胡瓜とワカメの甘酢
・白胡麻豆腐の葛あんかけをすりおろし生姜と
・大根のお新香、伽羅蕗の佃煮
・赤だし(麩、かぼすひと切れ)
・笹あんぷ
・柿、オレンジ
・ごはん
おてもとの袋にもありがたい言葉(※写真参照)、配膳の際に、それについてお坊さんが仰っていたこと。
食堂(じきどう)。食はいのちを繋ぐ場であることに気付くこと。
いただきます。「一滴の水には天地の力が込もっています。一粒の米には万人の力が加わっています。感謝を込め有り難く頂きます」
お箸の裏側に「五観の偈」。これは食事前に唱え、いざ食事する前に「正食偈(しょくじきげ)」、食事中は「誓願の偈」を心の中で、食事後に「食意偈(しょくいげ)」を唱えるのだそうです。食も修行の一つなんです。
「ご馳走さま」も奥が深い。眼福ご馳走さま(目で頂く)口福ご馳走さま(口で頂く)
宿泊2日目の夕食は、お坊さんフルメンバーで配膳してくれましたよ…驚きと恐縮とで思わず合掌。
・野菜の鉄鍋焼き(蒟蒻、オクラ、しめじ、プチトマト、生麩、紅葉麩)をお醤油と田楽味噌で
・天ぷら(人参、さつまいも、ヤングコーン、アスパラガス、昆布)
・茄子田楽、いんげんの胡麻和え
・高野豆腐の炊き合わせ(里芋、椎茸、茄子、さやいんげん)
・黒豆の炊いたん
・白胡麻豆腐をわさび醤油で
・なます(胡瓜、大根、人参)
・お新香(大根、奈良漬)
・赤だし(えのき茸、麩)
・みかん、りんご
・ごはん
もちろん残さず頂きました。ご馳走さまでした。
ちなみにご飯は、朝食も夕食もおひつで出てきます。デフォルトで三膳分でした。ご住職曰く、一斗釜で炊くため美味、満ちるのは良いことだから御代わりOK!とのことでした。
宿坊ではご住職、修行僧、福島から来た夫婦(東日本震災の供養)と話す機会がありました。祈りとは何か。この2日で課題ができてしまった。
高野山宿坊体験は、静寂を買う贅沢、それ以上の経験ができます。
高野山の歴史や宗教美術について事前勉強をし、時代背景を知っていれば来た時に感じるものもより大きいことでしょう。
※お手洗い
共用の御手洗い(男女別)
新しく、大変きれいです。
※お風呂
2012年当時の大浴場はレトロモダンなお風呂。深さ110㎝、お湯は熱めでした。(その翌年リニューアルされていました)
※大広間での朝食の際、手元に2膳分ほどの小さなおひつ、さらにお替りする用の大きなおひつが入口付近に1つ用意されていました。しかし、ほとんどの方が少食で、お替りをされなかったので勿体ないなぁ・・と。お米が美味しいのでお握りにして持っていきたかったくらいです。
※宿坊はホテルや旅館ではありません。宿坊の接客にあたる部分は、サービス提供ではなく修行僧の「修行」にあたります。感謝こそすれ、宿坊にホテルや旅館のようなサービスを求めるべからず、です。
1 か月前
四国八十八箇所のお遍路の結願報告に奥の院へ伺い、母と共に宿泊しました。
精進料理が美味しく、趣のある建物や庭もとても良いです。
写経体験もできるそうですが、私達は住職さんから説明いただける壇上伽藍のツアーに参加しました。
観光で訪れても何気なく回ってしまう建物や仏様の解説を聞くと、また違った視点で伺うことができました。
8 か月前
美味しい精進料理もいただき、パワーストーン作り、朝のおつとめ、いい人たちでいい時間を過ごせました!お風呂の湯も最高な温度でした!
3 か月前
コロナ禍の中法事に行ってまいりました。静かで落ち着いたお彼岸でした。
2 か月前
命の洗濯に一人春の高野山を訪れました。平日だったので、たまたま貸し切りで誰もいない状態でした。宿坊は過去に5軒程利用しています。普通の旅館と何ら変わりません。食事も美味しく、部屋も清掃が行き届いています。遠慮しながら般若湯(はんにゃとう)を注文したら、笑顔で「大丈夫ですよ!」と。精進します。星評価は無視して下さい。
8 か月前
和歌山県伊都郡高野町 高野山154